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1on1の質問例|5-30人組織の経営者が使える厳選30

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1on1の質問例|5-30人組織の経営者が使える厳選30

1on1で何を聞くかは、対話の質を左右します。本記事では5-30人組織の経営者が直接使える質問を、業務・キャリア・健康・組織の4カテゴリで厳選30個解説します。

1on1で質問が重要な理由

1on1の質問は、答えを引き出すための道具ではなく、部下の内省を促す装置です。本章では質問が機能する条件と、5-30人組織で経営者が問いを立てる意義を整理します(関連記事:1on1とは|5-30人組織での実践ガイド)。

質問は「答えを引き出す道具」ではなく「内省を促す装置」

評価面談では「目標達成度はどのくらいですか」のように、答えを引き出す質問が中心になります。1on1の質問はそれとは異なり、部下が自分の経験を言語化し、新しい気づきを得る装置として機能します。

問いを立てる側が答えを持っている必要はありません。むしろ答えを持たずに問う方が、部下の内省は深まります。経営者が「自分も答えを知らない問い」を出せると、対話の質が一段上がります。

良い質問の3条件(オープン・短い・評価を含まない)

良い質問には3つの条件があります。第一にオープンクエスチョン(はい/いいえで答えられない形)、第二に短い(30字以内が目安)、第三に評価を含まない(「なぜできなかったのか」ではなく「何が背景にあったのか」)です。

この3条件を意識するだけで、質問の質は大きく変わります。逆に長く複雑な質問、評価を含む質問は、内省を阻害します。

5-30人組織の経営者ならではの質問設計

質問の引き出しは書籍やネット記事に多数ありますが、5-30人組織の経営者には独特の問いの立て方があります。本章では経営者の位置を活かす設計を整理します。

経営者の位置を活かす(方針との接続・カルチャーへの言及)

経営者は組織の方針・カルチャー・MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を直接共有できる位置にいます。マネージャー型の1on1にはない、経営者ならではの問いを設計できます。

例えば「最近、組織の方針と自分のやりたいことの間でズレを感じる瞬間はありましたか」「この会社の何を一番大事にしているか、改めて言葉にしてみるとどうですか」など、組織の上位概念と個人の感覚を結ぶ問いは、経営者の位置を活かす設計です(関連記事:1on1のやり方|5ステップ詳解)。

距離の近さを活かす質問とリスク

5-30人組織では、経営者と従業員の距離が近く、業務外の対話も自然に成立します。「最近どう?」型の軽い問いから始められる利点があります。

一方で、距離が近すぎると「経営者が答えを言うだろう」と部下が考えすぎ、自分の意見を出さなくなるリスクもあります。距離の近さを活かしつつ、問いを立てた後は答えを待つ姿勢が重要です。

カテゴリ別の質問例(厳選30)

5-30人組織の経営者が使える質問を、業務・キャリア・健康・組織の4カテゴリで厳選30個紹介します(図1:4カテゴリ別質問マップ/関連記事:1on1のテーマ例カテゴリ別)。

業務カテゴリ(7問)

業務カテゴリは、現状の業務状況と課題を引き出す問いです。日常会話で拾えない深さの対話を目指します。

  • 直近1週間で、自分の判断に迷った場面はありましたか
  • 今の業務で、もっと時間を使いたいことは何ですか
  • 逆に、時間を減らしたい業務はありますか
  • 「この方向は違うかも」と感じた瞬間はありましたか
  • 周囲の支援があればもっと進む業務は何ですか
  • 業務の優先順位で、自分なりの判断基準はどう変わってきましたか
  • 直近で一番達成感を感じた瞬間はどんな場面でしたか

キャリアカテゴリ(8問)

キャリアカテゴリは、中長期の方向性と成長への問いです。経営者が組織の将来像と結びつけて聴ける問いを選びます。

  • 5年後、どんな状態であれば嬉しいですか
  • 今の組織で身につけたいスキルは何ですか
  • 自分の強みは何だと最近感じますか
  • 今の業務で、自分の強みが活きている瞬間はありますか
  • やってみたいけれど踏み出せていないことはありますか
  • 仕事を通じて社会に残したいことは何ですか
  • 今のキャリアで一番納得しているのはどの部分ですか
  • 逆に、納得しきれていない部分はありますか

健康・心身カテゴリ(7問)

健康・心身カテゴリは、心身の状態と働き方への問いです。離職予防のシグナルを拾う重要なカテゴリです。

  • 最近、エネルギーを消耗している作業は何ですか
  • 睡眠は取れていますか
  • オフの時間に、仕事のことを考えてしまう頻度はどのくらいですか
  • 心身ともに最も調子の良い時間帯はいつですか
  • 業務外の楽しみは確保できていますか
  • 体調や気分の変化で、最近気になることはありますか
  • 周囲に相談できる人はいますか

組織・関係性カテゴリ(8問)

組織・関係性カテゴリは、カルチャーや人間関係への問いです。経営者の目に届きにくい情報を拾う問いを選びます。

  • 最近、この会社らしくないと感じた場面はありましたか
  • 逆に、この会社らしいと感じた場面はありますか
  • メンバーとの関係で、最近変化を感じることはありますか
  • 組織の中で、もっと知りたい人や領域はありますか
  • 「これは誰かに相談したい」と思いつつ抱えていることはありますか
  • 組織のルールで、納得しきれていないものはありますか
  • 入社時のイメージと今のギャップはありますか
  • 1年後、組織がどうなっているのが理想ですか

ここまで読んで「貴社の1on1で使える質問を絞り込みたい」と感じた方は、貴社の組織サイズと部下層に合わせた質問設計を、無料相談(30分・オンライン可)でご一緒に整理できます。

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MVV浸透・カルチャー保全のための質問

5-30人組織の1on1には、業務支援だけでなく、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の浸透やカルチャー保全の役割があります。本章では強み軸接続の質問を整理します。

MVVを個人の言葉に翻訳させる質問

組織のMVVは抽象的に表現されることが多く、従業員の日常業務との接続が見えにくい場合があります。1on1で問いかけることで、個人の言葉に翻訳する機会になります(図2:MVV浸透のための質問フロー/関連記事:MVV策定の実践ガイド)。

例えば「あなたの仕事は、組織のミッションのどの部分に貢献していますか」「組織のバリューのうち、自分にとって一番大事だと思うのはどれですか」「逆に、自分にはまだ実感できていないバリューはありますか」など。

これらの問いは、評価ではなく内省を促す形で出すことが重要です。答えを聴いた後、経営者は「補強」の位置に立ちます。

カルチャー違反のシグナルを拾う質問

組織が拡大すると、カルチャーに合わない行動が現場で発生しても経営者の目に届きにくくなります。1on1で定期的に問いかけることで、シグナルを早期に拾えます。

「最近、この会社らしくないと感じた場面はありましたか」「逆に、この会社らしいと感じた場面はありますか」の2問は、毎月の1on1で繰り返し問うと、変化の傾向が見えてきます。即座に指摘するのではなく、組織全体の課題として整理することがカルチャー保全の作法です。

避けるべき質問パターン

質問の引き出しを増やすと同時に、避けるべき質問も把握しておく必要があります。本章では3つのNGパターンを整理します(図3:避けるべき質問早見表)。

評価を含む質問

「なぜ目標を達成できなかったのか」「どうしてもっと早くできなかったのか」のような評価を含む質問は、1on1では避けます。これらは評価面談の場で扱う問いです。

評価を含む質問は、部下を防御モードに入れてしまい、本音が出にくくなります。代わりに「何が背景にあったか」「次は何を変えたいか」と問い直すと、内省の場として機能します。

経営者の正解を誘導する質問

「この方向で進めるべきだと思いませんか」「やはりこれが大事ですよね」のような誘導質問は、5-30人組織の経営者が陥りやすいパターンです。

経営者の答えを部下が察知すると、それに合わせた回答を返すことが習慣化します。問いは中立を保ち、部下の答えを評価せず受け止めることが、1on1を機能させる作法です。

プライバシーに踏み込みすぎる質問

「家族との関係はどうですか」「結婚の予定はありますか」のような踏み込みすぎる質問は、距離が近い5-30人組織でも避けます。

健康・心身カテゴリの問いも、本人が話したくないなら深掘りしないことが原則です。質問は誘い水であり、強制ではありません(関連記事:話すことがない時の打開策)。

質問を活かす聴き方の作法

良い質問を出しても、聴き方が不十分なら効果は半減します。本章では質問を活かす2つの作法を整理します。

質問の後の沈黙を待つ

質問を出した後、部下が考える時間として5〜10秒の沈黙が生まれることがあります。この沈黙を待つことが、内省を深める最大のスキルです。

経営者は沈黙を埋めたくなりますが、待つことで部下の思考が深まります。「待っていますよ」というメッセージを、表情とメモを取る動作で伝えると、安心して考えてもらえます。

深掘り質問の「3回ルール」

部下が回答した後、深掘り質問を3回まで重ねる作法があります。「具体的にはどんな場面でしたか」「その時、何を感じましたか」「それは自分にとってどんな意味がありますか」のように、表層から深層へ降りていきます。

3回以上深掘りすると、部下が答えに詰まることが多いため、そこで一旦止めて別の問いに移ります。深掘りは関係性の段階に応じて、徐々に深めるのが現実的です。

よくある質問

1on1の質問に関して、5-30人組織の経営者から寄せられる代表的な質問を3点取り上げます(関連記事:キャリア面談の質問例)。

質問は事前に共有しておいた方がよいですか?

基本は当日に問いかける方が内省が深まりますが、テーマだけ事前共有することは有効です。質問そのものを事前に渡すと「正解探し」モードに入りやすく、答えが準備されたものになります。例えば「次回は最近のキャリアの感覚について聴かせてください」とテーマだけ伝え、具体的な問いは当日出す形が、内省と準備のバランスを取れる運用です。

質問の引き出しが少ない時の補い方は?

書籍やネット記事から100問集めるより、自分が使いやすい10〜15問を厳選する方が現実的です。質問の数より、深掘りの質が1on1の効果を決めます。本記事の30問から、自社で響きそうな10問を選び、毎月の面談で繰り返し問う形から始めるのがお勧めです。同じ問いでも、組織状態や個人の状況によって異なる答えが返ってきます。

部下が質問に答えてくれない時はどうすればよいですか?

質問が抽象的すぎるか、信頼関係が未成熟であることが多くあります。「最近どうですか」のような大きな問いは答えにくいので、「直近1週間で印象に残った場面はありますか」のように具体的な場面を限定する質問に切り替えます。それでも答えが出なければ、沈黙を5秒は待ち、それから別の角度で1問だけ問い直すのが効果的です。

まとめ — 質問は「内省を促す装置」

1on1の質問は、答えを引き出す道具ではなく、部下の内省を促す装置です。5-30人組織の経営者には、組織方針との接続やカルチャーへの言及など、独自の問いを設計する余地があります。質問の引き出しを増やすより、自分が使いやすい10〜15問を厳選し、聴く側の姿勢を整えることが、1on1を機能させる最大の作法です。

組織開発の壁にぶつかったら、モーレツへ

実際の伴走現場では、質問の引き出しを増やしても、聴く側の姿勢や対話の場づくりが整っていないと効果が出ない例を多く見てきました。5-30人組織だからこそ生じる「人の壁」「制度の壁」「カルチャーの壁」。

モーレツでは、キャリア面談・MVV策定・組織開発を通じて、創業期の組織を次のフェーズへ引き上げる無料相談を承っています。

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hr-mohretsu

株式会社モーレツのメンバーです。人材開発と組織開発を統合的に捉え、企業の生産性向上に伴走しています。

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