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1on1のやり方|5-30人組織の経営者が回す5ステップ

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1on1のやり方|5-30人組織の経営者が回す5ステップ

1on1のやり方は5ステップで整理できます。本記事では、5-30人組織で経営者直々が回す前提の現実的なやり方を、事前準備から記録までステップ別に解説します。

1on1のやり方の全体像 — 5ステップで設計する

1on1のやり方は、事前準備・アイスブレイク・現状確認・内省・次アクションの5ステップに整理できます。本章では基本構造と、5-30人組織に翻訳する際の前提を整理します(関連記事:1on1とは|5-30人組織での実践ガイド)。

1on1の基本的な5ステップ

1on1は短時間の対話を高頻度で繰り返す手法です。1回あたり15〜30分が一般的で、ステップを揃えることで毎回ゼロから設計しないで済むようになります。

5ステップの大枠は、事前準備(前日まで)、アイスブレイク(1〜2分)、現状確認(5〜10分)、内省を促す対話(5〜10分)、次アクションと記録(1〜2分+3分)です。

5ステップ設計の前提となる原則

ステップを機械的に追うだけでは1on1は機能しません。前提となる原則は「上司2割・部下8割」の対話比率です。上司が情報を伝える場ではなく、部下が考えを言語化する場として設計します。

この原則を守ることで、ステップは「型」として働きます。ステップを守ることが目的ではなく、対話の質を支える足場として機能させることが重要です。

マネージャー型から経営者型への翻訳

書籍やネット記事で紹介される1on1のやり方は、大企業のマネージャー(課長・部長)が部下と行う前提で書かれています。5-30人組織では、経営者が直接1on1を回すため、ステップの粒度と所要時間を調整する必要があります。

経営者には時間制約があり、専任の人事担当者がいないことも多くあります。マネージャー型の重厚版をそのまま導入すると形骸化しやすく、「軽くて続く」設計に翻訳することが、5-30人組織の現実解です。

5-30人組織の経営者が回すやり方の特殊性

5-30人組織の経営者が回す1on1には、大企業のマネージャーが回す1on1にない特殊性があります。本章では時間制約・距離の近さ・人事担当者不在の3点を整理します。

時間制約があるからこそ「軽くて続く」設計に

5-30人組織の経営者は、営業・採用・資金繰り・現場対応まで広く業務を抱えています。週次1on1×全員という設計は理想的でも、実行できないことが多くあります。

時間制約があるからこそ、各ステップを軽量化し、続けられる設計に振ることが優先されます。事前準備15分、面談30分、記録3分の合計約50分を超えるなら、設計を見直す価値があります。

経営者と従業員の距離が近い構造の活かし方

5-30人組織では、経営者と従業員が日常的に対話します。この距離の近さは、1on1の場で「形式的でない自然な対話」が成立しやすい利点になります。

一方で、業務会話の延長で「指示」や「相談への即答」モードに入ってしまうリスクもあります。やり方として「今日は聴く時間」と冒頭で宣言するなど、業務会話と1on1を意識的に切り分ける所作が有効です。

専任の人事担当がいない前提

5-30人組織では、人事担当が経営者を兼ねるか、業務担当者の兼務で運用されます。タレントマネジメントツールの導入や、複雑な記録フォーマットの整備に時間を割く余裕がないことが前提となります。

このため、やり方の設計はツール依存ではなく、紙のメモやスプレッドシート1枚で完結する形が現実的です。ツール導入は、対話が習慣化してから検討する順序が望ましいです。

5ステップの具体的な進め方

1on1の5ステップを、5-30人組織で機能する粒度で解説します。各ステップの所要時間と狙いを明確にすることで、毎回の対話設計を軽量化できます(図1:5ステップ進行フロー)。

ステップ1 — 事前準備(アジェンダの軽い共有)

事前準備は、面談の前日までにアジェンダを部下から共有してもらう運用が現実的です。話したいテーマを2〜3点、箇条書きで送る形で十分です。

経営者側は受け取ったアジェンダを面談直前の5分で確認し、深掘りしたい質問を1〜2個準備します。完璧な準備は不要で、テーマを共有しておくだけで対話の出だしの迷いがなくなります。

ステップ2 — アイスブレイク(1-2分の関係性確認)

面談冒頭の1〜2分は、業務から離れた話題で場を温めます。「最近の調子」「週末の過ごし方」「最近気になったこと」など、軽い話題で構いません。

アイスブレイクは形式ではなく、対話モードへの切替の機能を持ちます。経営者の方から少し自己開示をすることで、部下も話しやすくなります。長くなりすぎないよう、1〜2分で次のステップに進む意識が重要です。

ステップ3 — 現状確認(事実ベース5-10分)

事前共有されたアジェンダに沿って、現状を5〜10分で確認します。ここは事実ベースで進め、解釈や評価は次のステップに譲ります。

「どんな状況ですか」「具体的にはどんな場面でしたか」など、事実を引き出す質問を使います。経営者がつい解決策を提示したくなりますが、現状確認の段階では聴くことに徹します(関連記事:話すことがない時の打開策)。

ステップ4 — 内省を促す対話(5-10分)

現状を共有したら、内省を促す問いに移ります。「なぜそう感じたか」「何が背景にあるか」「自分にとってどんな意味があるか」を5〜10分で対話します。

このステップが1on1の中核です。経営者が答えを与えるのではなく、部下が自分の言葉で気づきを得ることを目指します。質問例の引き出しを持っておくと、内省の場の質が安定します(関連記事:1on1で使える質問例集)。

ステップ5 — 次アクションと記録(1-2分+3分)

最後の1〜2分で、次回までのアクションを具体化します。アクションは大きな決断でなくて構いません。「次回までに1つ気づきを持ち寄る」「1人に声をかけてみる」程度で十分です。

面談後3分でメモを2〜3行残します。「話したテーマ」「気づき」「次回までのアクション」の3項目を箇条書きで記録するだけで、次回の対話の出発点になります。

ここまで読んで「貴社の組織で機能する1on1のやり方を整理したい」と感じた方は、貴社の組織サイズに合わせた1on1の進め方を、無料相談(30分・オンライン可)でご一緒に整理できます。

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やり方を機能させる事前準備の作法

5ステップを揃えるだけでは1on1は機能しません。事前準備の質が、当日の対話の質を決めます。本章では準備の作法を3点整理します。

アジェンダの「2-3行ルール」

アジェンダは長文でなく、箇条書き2〜3行で十分です。「最近気になっていること」「相談したいこと」「報告したいこと」の3観点から選んでもらう形が運用しやすいです。

アジェンダを送る習慣ができていない初期は、経営者から「次回のアジェンダ、2行で送ってください」と毎回声をかけます。3〜4回続けると、定着し始めます(図2:5分準備チェックリスト)。

経営者側の準備は5分で十分

経営者の準備は、面談直前の5分で行います。アジェンダを読み、深掘りしたい質問を1〜2個メモする程度で十分です。

長時間の準備は続きません。前回のメモを30秒で読み返し、今回のアジェンダから1つ問いを立てる。この最小構成で、対話の質は十分に確保できます。

1回目の1on1で約束しておくこと

最初の1on1では、面談の目的・頻度・記録の扱い・評価面談との分離について、明示的に共有します。「評価の場ではない」「内容は人事評価に直結しない」「記録は2-3行のサマリーのみ」を伝えることで、安心して話せる場になります。

ここで合意がないと、部下は警戒モードのまま面談に臨むことになり、本音が出にくくなります。1回目の所要時間を45分程度に伸ばしてでも、約束事の整理に時間を割く価値があります。

やってみて陥る失敗と回避策

5ステップ通りに進めても、1on1が機能しないケースがあります。本章では5-30人組織の経営者がよく陥る3つの失敗と回避策を整理します(図3:失敗回避早見表/関連記事:1on1の失敗パターン詳解)。

経営者が答えを与えすぎる

最も多い失敗が、経営者が部下の話を聞いてすぐに答えを返してしまうケースです。経験豊富な経営者ほど、解決策が瞬時に見えてしまい、答えを言いたくなります。

回避策は、「答えを言いたくなったら、まず質問を1つ挟む」訓練です。「あなたはどう考えますか」「次に何を試したいですか」と返すことで、部下の内省が深まります。経営者の話す割合が2割を超えていないか、自分でモニタリングする習慣が有効です。

業務報告会で時間が終わる

5-30人組織では業務上の連携が密で、1on1の場でも進捗報告で30分が終わってしまうことが頻繁にあります。これは1on1ではなく、業務会議です。

回避策は、業務進捗の話題は冒頭5分以内に区切ることです。「ここまでは業務、ここからは違う話」と意識的に切り替えます。業務会議と1on1を別の時間枠で運用することも検討に値します。

「次回までに」が大きすぎて形骸化する

次アクションを「半年後の目標を考えてくる」「キャリアプランを作ってくる」のように大きく設定すると、部下が手をつけられず、次回の対話がアクションの未着手から始まる悪循環に陥ります。

回避策は、次アクションを「次回までの1週間〜2週間で実行できる小さなもの」に絞ることです。「1人に声をかけてみる」「気になる本を1章だけ読む」程度で十分です。

継続させるための運用設計

1on1のやり方を機能させる最大の要素は、継続性です。本章では3つの運用設計を整理します。

頻度は「完璧」より「続く」を選ぶ

週次30分が理想とされますが、5-30人組織の経営者が全員と週次1on1を回すのは現実的でない場合が多くあります。隔週30分、月次45分のいずれかで続ける方が、形骸化を避けられます(関連記事:1on1の頻度と時間の現実解)。

頻度を決めた後は、3ヶ月単位で固定枠を確保することが重要です。緊急時の調整は許容しても、完全キャンセルはしないルールを設けると、継続性が保たれます。

キャンセル耐性のある最低限版(15分版)

時間が確保できない週は、15分版で続けます。「最近の気分」「最近の違和感」「次回までに考えたいこと」の3点だけ尋ねれば、15分でも対話が成立します。

完全停止と15分版の差は大きく、続けている事実そのものが信頼の源になります。

記録は2-3行で十分

記録は2〜3行のメモで十分です。「テーマ」「気づき」「次アクション」の3項目を箇条書きで残します。

スプレッドシート1枚に、従業員ごとの記録欄を縦に積み上げる形が最も簡単です。前回のメモを30秒で読み返せる軽さが、継続性を支えます。

よくある質問

1on1のやり方について、5-30人組織の経営者から寄せられる代表的な質問を3点取り上げます。

1on1のやり方を始める前に何を準備すればよいですか?

制度設計より「目的の共有」と「最初の1ヶ月の継続」を優先することをお勧めします。具体的には、従業員に「評価の場ではなく成長を支える対話の場」であることを伝え、頻度・時間・場所を仮置きで決めて始めます。1on1シートやツールの整備は、3〜4回回してから検討するので十分です。最初から完璧を目指すと準備期間が長引き、開始自体が遅れます(関連記事:キャリア面談との違いと使い分け)。

経営者が1on1に時間を割けない時の最低限のやり方は?

完全停止より、15分版で続ける方が効果が高くなります。「最近の気分」「最近の違和感」「次回までに考えたいこと」の3点に絞れば、15分でも対話が成立します。完全キャンセルは形骸化の入口になりやすく、頻度を落としても続けることが信頼の源です。月次15分でも続ける方が、週次設定で頻繁にキャンセルするより効果が出ます。

5ステップ通りに進めても効果が出ない時はどうすればよいですか?

ステップが守れていても「経営者が話しすぎている」「アジェンダが業務報告だけ」のいずれかであることが多くあります。録音して自分の話す割合を確認し、2割を超えていれば聴く側への切替を意識します。1on1の効果は3ヶ月単位で出るため、1〜2回で判断せず、3ヶ月続けてから振り返ることも重要です。

まとめ — やり方より「続く設計」が起点

1on1のやり方は、事前準備・アイスブレイク・現状確認・内省・次アクションの5ステップです。ただし、5-30人組織の経営者がやり方を機能させるには、ステップを揃えるだけでは不十分です。時間制約を踏まえた軽量化、聴く側への意識的な切替、続けられる頻度の選択、記録の最小化――いずれも創業期の組織だからこそ問われる論点です。完璧な5ステップより、続く5ステップを選ぶことが、1on1を機能させる最大の作法です。

組織開発の壁にぶつかったら、モーレツへ

実際の伴走現場では、5ステップを揃えただけでは続かず、経営者の聴く側への切替や、記録の負荷設計まで含めて初めて1on1が定着する例を多く見てきました。5-30人組織だからこそ生じる「人の壁」「制度の壁」「カルチャーの壁」。

モーレツでは、キャリア面談・MVV策定・組織開発を通じて、創業期の組織を次のフェーズへ引き上げる無料相談を承っています。

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hr-mohretsu

株式会社モーレツのメンバーです。人材開発と組織開発を統合的に捉え、企業の生産性向上に伴走しています。

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